■■ 無職牛乳 ■■ -58ページ目

マニュアルロボット

さて、続きでございます。志無巻宅の近隣にある某中堅スーパーでは支払いが終わると

レジカウンター内の女性が「ありがとうございました!」の言葉とともに珍妙なポーズを

とるのでございます。非常に説明しにくいのですが、一番近いのは所謂オペラのポーズ。

胸下の位置で右手と左手を組み肘を外側にピン!と張り今にも美声を発しそうな姿勢での

「ありがとうございました!」でございます。
 
ここは軍隊か?という突っ込みも入れたくなろうというものです。全員が全員何の疑問も

持たずオペラ挨拶を敢行しているスーパーで買い物をすることに不安も覚えようという

ものです。
 
その「ありがとうございました!」を見て某アパレル会社で販売員として働いている友人の

話を思い出した志無巻。ここ数年、接客マニュアルが非常に厳しくなっておりお客様に

ご挨拶する際のお辞儀の角度まで強制、挙句の果てには接客の際に使う言葉もキチンと

決められてしまったというのです。


その結果、彼女はやりがいを感じていた販売という仕事が苦痛になりキャリアを捨てて

退社しようかどうか思い悩んでいるとのことでした。書店やスーパーに限らず完璧に

マニュアル化された挨拶・接客が多くなったなぁと一抹の淋しさを感じる今日この頃で

ございます。

極上の接客

先日、友人が某大手スーパーの中にある書店に行った時のこと。そこで働く店員さんの

名札の下に大きな白い札が付けられ何事か書かれてるのに気がついたそうでございます。

友人は札の内容を読みたいが為に本を探すふりをして店員に近寄りその妙にバカでかい

白札をチェック!そこには…


なんでもやります!

できるまでやります!

できないことでもやります!


と大きく書かれていたそうです。しかも手書きで…よく見るとその白札には各自違うことが

書いてあるらしく、本人の書籍販売姿勢に対する目標を自筆で明記させられている模様。

「できないことでもやります!」と言いきった店員の名札に驚きと同時に切なさと寂しさを感じ

目的の本があったにも関わらず何も買わずに書店を出たと言っておりました。


その手書き効果で商品の実売に至るのか???志無巻の友人のように購買意欲を

削がれ立ち去る客を計算にも入れずあまりにも一方的でバカバカしい戦略ではないで

しょうか。


そういえば志無巻の近所にある某中堅スーパーにおいても気にかかることがございます。

支払いが終わると「ありがとうございました!」の声とともにレジカウンター内の女性が

決まって妙なポーズをするのです!しかも全員。

つづく→

ベンチャーの甘い罠

「ベンチャー」それは美しく甘い響き…ではなく、志無巻には「こわ!」といったイメージしか

ございません。今まで、数々の就職活動をこなし、色々な人事担当者に会い、様々な

面接を経験してきましたがその中には有名・無名を含めベンチャーに分類される会社も

存在します。社長一代叩き上げ、他社の追随を許さないオンリーワンを目指す会社ですから

社長はもちろんのこと社員の方も多少個性的なのは当たり前と言えば当たり前。しかし!

どうにも「やりすぎ感」を感じてしまうのです。
 
まずはITベンチャーの社長。この人は顔は笑っていたけど目は笑っていません。仕事が

大好きでたまらない様子です。この社長の下で働いている女性に取次ぎをしていただいた

のですが…高そうなスーツを着用しているにもかかわらず何故か完全ノーメイク。しかも

目の下には超・ド級のジャンボ・クマ!ダメだ。こんな会社に勤めたら最期、精も魂も吸い

取られて廃人になってしまう…即・お断り。
 
次は環境テクノロジーベンチャー。もう既に「環境テクノロジー」の時点で怪しさ爆発。しかし

なぜかこちらの会社志無巻を採用してしまいます。6時定時なのですが5時半ぐらいから

会議という名の社長演説がスタート。初日から強制参加させられ退社できるのは11時過ぎ。

おまけに得意先から訴訟を起こされていることが発覚し逃げるように退社。入社から退社

までたったの3日。最短記録の更新です。
 
まだございます。某・有名足裏マッサージチェーン店経営・ベンチャー企業。女社長の

ワンマン会社です。ここに至っては面接中に隣のブースから謎の掛け声が聞こえてくる

という怪現象が起こっておりました。思わず面接官に「あの声は…?」と聞いてしまった

志無巻。それに対し「あぁ。あれ?研修中なんですよ」といたって普通にお答えいただき

ましたが…ヤバイじゃないですか!もはやベンチャーというより女社長を教祖とする

新興宗教団体です。その場でお断りして帰ってきました。
 
仕事に対するスタンスの違いと言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが、仕事に

会社に命がけ!な匂いがしてどうにもなじめないのは志無巻が「自分を見失ってまで

働く必要はない」と思っているせいかもしれません。

一般常識テスト

職探しをしておりますと、面接のほかに筆記テストなるものを受けるハメに陥ることが
ままございます。小学生のドリルか?と思われるもの、懐かしい公式が思い出せない
高度なもの、果ては30分で小論文を書いて帰れという壮大な課題まで。筆記用具を
手に学生時代以来の敵と相対することとなるのでございます。
 
志無巻がこれまで出会った筆記テストで一番驚いたものはこちらでございます。
問題の構成としては小学校低学年レベル。しかし内容が…
 
問3 下記のスポーツと関連用語を線で結びなさい
 野球・・・・・・・・・・・・・・        ・・・・・・・・・・プレーニング
 サッカー・・・・・・・・・・・        ・・・・・・・・・・アルバトロス
 ラグビー・・・・・・・・・・・        ・・・・・インフィールドフライ
 ウィンドサーフィン・・・        ・・・・・・・・・・・・・・スパイク
 バレーボール・・・・・・・        ・・・・・・・・・・・フェイスオフ
 アイスホッケー・・・・・・        ・・・・・・キーパーチャージ
 ゴルフ・・・・・・・・・・・・・        ・・・・・・・・・キャリーバック
 
辛うじて野球とインフィールドフライを結べた以外は見当もつかず志無巻あえなく撃沈。
この会社がスポーツ用品を扱っている商社だとか、競技用の新素材を開発している
メーカーだとかスポーツ雑誌をメインに扱う出版社だとかいうのならこの問題構成も
解らなくはありません。

しかし、この筆記テストを出題したのは「土壌の検査および管理を行う会社」だったはず。
百歩譲ってグラウンドで土繋がりだとしても、バレーボールは室内競技。キュッキュ鳴る
床でやってます。ウィンドサーフィンは水上、アイスホッケーは氷上スポーツ。一般常識と
言われればそれまでなのでしょうが、これを全問正解できる人材がそれほど存在するとは
思えません。こちらの会社が求職者に何を求めていたのかは知る由もございません。

転職マニアへの道 ~前編~

転職。人によっては年功序列・終身雇用の波に乗り一度も転職をしないまま同じ会社に

勤め上げるということもあるでしょう。一昔前ならばひとつの会社でそのまま定年まで

女性ならば寿退社というのがセオリー。志無巻も人生で初めての就職をする際には

それぐらいの意気込みで臨んだものでございます。


就職難の中、志無巻が潜り込んだのは特定業種の専門商社。商社といえば聞こえは

いいものの要はその業界の便利な何でも屋でございます。こちらの大阪支店にお勤め

すること6年。入社時に「うちは堅い商売をしてるから絶対つぶれることはない!」と謎の

太鼓判を押されておりました。しかしたったの6年であっさり倒産。考えてみれば商社など

あってもなくても困りません。世間の流れからして潰れないほうが不思議かもしれません。


就職活動を余儀なくされる上司や同僚。当然、志無巻もカウントされていたわけですが

なんとその中に希望の星とも思える営業マンが1人混ざっていたのでございます。年齢は

志無巻の1つ年上。新婚さんだったのですが確か前月には嫁が仕事を辞めていたはず…

夫婦揃って路頭に迷うのかと思いきや、さに非ず。彼はただの営業マンではなかったので

ございます。


つづく→